【事実婚】自分たちが「籍」にこだわらない理由
こんにちは。やまもです。
「籍を入れる」「入籍する」という言葉は、日常の中でもよく耳にしますよね。
でも、あらためて「籍ってそもそも何?」「何のためにあるの?」と聞かれると、うまく説明できない人も多いのではないかと思います。
僕自身、事実婚という形を選んでから、「籍」について考える機会が増えました。
ということで今回は、「籍とは何か」という基本から整理しながら、「なぜ籍を重視する人がいるのか」「なぜ自分たちは籍にこだわらないのか」を、正直にお伝えしていきます。
「籍を大切にしたい」と考える人も、「籍にはそこまでこだわらなくていい」と感じる人も、自分の考えを整理するきっかけになればうれしいです。

「籍を入れる」とは?
まずは、日常的によく使われる「籍を入れる」という言葉の意味を整理しておきます。
籍=戸籍のこと
「籍を入れる」の「籍」は、一般的に「戸籍」を指します。
戸籍とは、日本国籍を持つ人について、国籍や親子関係、婚姻関係などの身分関係を登録し、公的に証明する制度です。
出生、婚姻、離婚、死亡といった人生の大きな出来事は、戸籍に記録されます。
籍を入れる=婚姻届を出して法律上の夫婦になること
日常会話でいう「籍を入れる」とは、一般的に婚姻届を市区町村に提出し、法律上の夫婦になることを指します。
日本の民法では、婚姻は届け出ることで法的な効力を持ちます。
そして、婚姻が成立すると、その事実が戸籍に記録されます。
現行の日本の制度では、婚姻する際に、夫婦はどちらか一方の苗字を選ぶ必要があります。
そのうえで、婚姻後は原則として、夫婦を単位とする新しい戸籍が作られるか、どちらか一方がすでに筆頭者となっている戸籍に、もう一方が入る形になります。
籍を入れると法的に何が変わるのか?
婚姻届を出して法律上の夫婦になると、制度上はいくつかの違いが生まれます。
例えば、
- 配偶者として法定相続人になる
- 夫婦の苗字をどちらか一方に統一する
- 要件を満たせば、税制上の配偶者控除などの対象になりうる
- 行政手続きや契約の場面で、「法律上の配偶者」として関係性を示しやすくなることがある
といった違いがあります。
つまり、「籍を入れること」には、気持ちの面だけでなく、法律婚によって得られる制度上の位置づけや、社会生活の中での扱いやすさという側面もあります。

なぜ籍を重視する人がいるのか?
籍を重視する人がいることの背景を知っておくと、法律婚と事実婚の考え方の違いも整理しやすくなると思っています。
公的に夫婦であることを示す制度として続いてきた
現在の日本では、婚姻届を提出することで法律上の婚姻が成立し、その事実が戸籍に記録されます。
こうした仕組みは、近代以降の法制度の中で整えられてきました。
そのため、「籍を入れること」は単なる手続きではなく、
- 国の制度上、夫婦として認められること
- 公的にふたりの関係を示せること
と結びついて受け止められてきたのだと思います。
「籍を入れる=安心」と感じる人がいるのも自然だと思う
現代でも、法律婚かどうかによって扱いが変わる場面はあります。
例えば、法律婚の配偶者には法定相続権がありますが、事実婚のパートナーには原則としてありません。
また、税制上の配偶者控除も、事実婚は対象外です。
こうした制度上の違いがある以上、
- 将来の安心のために籍を入れたい
- 公的にも家族として扱われる形を選びたい
と考える人がいるのは、とても自然なことだと思います。
なので、「籍を入れてほしい」という言葉の背景には、
- あなたと正式な関係でいたい
- 将来のことを制度の上でも一緒に考えたい
という思いが込められていることもあるはずです。
こうした背景を知ったとき、籍を重視する感覚は、制度や文化の積み重ねの中で育まれてきたものなんだなと感じました。
自分たちが籍にこだわらない理由
ここまで「籍」について整理してきましたが、僕自身は籍を入れることを否定したいわけではまったくありません。
制度上の安心を大事にしたい人もいれば、家族や周囲にわかりやすい形を選びたい人もいる。それは、とても自然なことだと思っています。
一方で、籍にこだわらないという選択も、同じように自然なものだと思っています。
ここでは、事実婚を選んだ理由にも通じる部分として、自分たちがなぜ「籍」にこだわらないのかを正直に整理してみます。
お互い苗字を変えたくない
お互いに苗字を変えたくなかったことは、自分たちが籍にこだわらない大きな理由の1つです。
日本では現状、婚姻すると、夫婦のどちらか一方の苗字に揃える必要があります。
僕たちはどちらも、自分の苗字を変えたくないと思っていました。
なので、この時点で、籍を入れることには1つのハードルがありました。
苗字は、その人のアイデンティティの一部だと思っています。
なので、どれだけ近しい関係になったとしても、「どちらかが変えるのが当然」という前提には違和感があります。
苗字を変えたくないと感じることについては、別の記事で詳しく書いています。気になる方は、あわせて読んでもらえたらうれしいです。

籍を入れることで関係が変わるとは思えない
苗字の問題だけでなく、もっと根本的なところでも、「籍を入れることで何かが大きく変わる」という感覚を持てませんでした。
例えば、僕たちは同棲を始めた頃から共同口座を作り、お金の管理方法をふたりで決めていました。
家賃や光熱費をどう払うか、それぞれの個人支出をどう扱うかといったことも当時話し合って決めた形が、今もほとんどそのまま続いています。
こうした実務的なことも含めて、一緒に生活していく中でのある程度の土台があります。
そこに婚姻届という書類が加わったとして、日々のやり取りや信頼関係が大きく変わるかというと、正直そうは思えませんでした。
「籍を入れたら、自分たちの関係が変わる」というイメージを、あまりうまく持てなかったというのが本音です。

制度上の違いは理解しているが、それだけでは決め手にならなかった
もちろん、法律婚と、籍を入れない事実婚とでは、制度上の違いがあります。
法律婚であれば、配偶者としての相続権があり、税制上も婚姻関係を前提にした制度があります。
一方で、事実婚では、そのままでは受けられない制度もあります。
自分たちの場合は、そうした違いを理解したうえでも、籍を入れることが決定的に必要だとは感じませんでした。
- 必要な備えは別で考える
- ただ、関係そのものを成立させるために、法律婚でなければならないとは思わなかった
そんな感覚が、なんとなく自分たちの中にありました。
パートナーも籍にこだわっていなかった
また、あんぽん(相方)も、「籍を入れること」に特別強い思いがあるわけではありませんでした。
もちろん、将来のことや制度上の違いを何も考えていないわけではありません。
ただ、それ以上に、自分たちが納得して続けられる形かどうかを大切にしているように感じます。
僕たちの間でも、「籍を入れるべきかどうか」を大きなテーマとして何度も議論したというより、日々の会話の中で、お互いに「無理に法律婚を選ばなくてもいいよね」という感覚が自然と揃っていきました。
「籍があるから関係がきちんとしている」という前提が、もともとふたりの中にあまりなく、その点で考え方が自然に一致していたのだと思います。

「籍がない=ちゃんとしていない」ではない
「籍がないと、関係を証明できない」という言葉を聞くことがあります。
もちろん、法律上の夫婦であることを公的に示すという意味では、戸籍や婚姻届には明確な役割があります。
ただ、関係を示すものは籍だけではないとも思っています。
公的な証明と関係の実態は別の話
法律上の夫婦であることを公的に示すという意味では、戸籍や婚姻届には大きな役割があります。
その点で、事実婚は法律婚とまったく同じではありません。
ただ一方で、
- ふたりの関係が誠実か
- 信頼し合えているか
- 長く向き合っていけるか
という意味での「ちゃんとしているかどうか」は、籍の有無だけでは決まらないと思っています。

関係の実態をつくるのは日々の積み重ね
関係の実態としてちゃんとしているかどうかは、書類の有無よりも、日々の行動や向き合い方に表れるものだと思っています。
- 相手を尊重しているか
- 相手のやりたいことを応援できているか
- 正直に話し合えているか
こうしたことの積み重ねが、ふたりの関係をつくっていくのではないかと感じています。
逆にいえば、籍があっても、相手を尊重せず、対話もなく、ただ形式だけが残っているなら、それだけで「ちゃんとした関係」とは言い切れないとも思っています。
日々の対話を大事にする
自分たちの場合、籍がないことを何か別のもので補おうとしているわけではありません。
ただ、関係を続けていくうえで、日常の中で大事にしてきたことはあります。
- 相手のいいところを素直に認めて、自分にも取り入れようとする
- 相手のやりたいことや考えていることを尊重する
- 定期的に自分の気持ちや考えを正直に話し合う
話し合いは、散歩中やドライブ中にしていることが多いです。
子どものことや将来のことなど、大事なテーマも含めて、「ちゃんと場を設けて話さなきゃ」と構えるのではなく、日常の延長で自然に話せる空気があることを大切にしています。
もちろん、これが正解だとは思っていません。
ただ少なくとも僕たちは、籍の有無とは別のところで、しっかり考えながら向き合ってきたという実感があります。

最後に
今回は、籍とは何かという基本から整理しながら、僕たちが籍にこだわらない理由をお伝えしました。
もちろん、将来にわたって考え方が絶対に変わらないと言い切るつもりはありません。
生活の状況が変われば、必要な備えや考え方が変わることもあるかもしれません。
ただ、少なくとも今の僕たちは、関係を成立させるために籍が必要だとは感じていません。
もちろん、これが誰かにとっての正解だとも思っていません。
「籍を大切にしたい」という気持ちにも、「籍にこだわらない」という考えにも、それぞれ自分たちなりの理由があるはずです。
この記事が、「籍ってそもそも何だろう?」「なぜ自分はこう感じるんだろう?」と考えるきっかけになればうれしいです。
ということで、今回はこのあたりで終わりにします。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
それでは、また。
