事実婚の相続の話|相手が亡くなったらどうなるのか?
こんにちは。やまもです。
事実婚をしていると、正直あまり考えたくないテーマではありますが、「相続」の問題はどうしても避けては通れません。
普段の生活では大きな不便を感じることは少なくても、もし相手に万が一のことがあったとき、「どうすればいいのか?」は事実婚だからこそしっかり考えておく必要があります。
ということで今回は、事実婚の相続について、制度の話だけでなく、僕たち自身がどう感じたのか、どう向き合ってきたのかも含めてお話していこうと思います。

事実婚の相手には原則として法定相続権がない
事実婚のパートナーは、原則として相続人にはなれません。
つまり、どれだけ長く一緒に暮らしていても、どれだけ周りから夫婦のように見られていても、法律上は「自動的に財産を受け取れる立場ではない」ということです。
法律婚(婚姻届を出している結婚)の場合は、パートナー(配偶者)は必ず相続人になります。
そのため、パートナーが亡くなったときには、
- 貯金
- 家
- その他の財産
などを「配偶者」として受け取る権利があります。
一方で、事実婚の場合は、この「配偶者」という扱いになりません。
「夫婦みたいだった」だけでは相続できない
事実婚は、生活の実態としてはほとんど夫婦と変わりません。
ですが、法律の世界では「結婚しているかどうか(婚姻届を出しているか)」がすべてです。
例えば、
- 10年以上一緒に暮らしていた
- お金も一緒に管理していた
といった関係であっても、それだけで相続できるようにはなりません。
少し厳しく感じるかもしれませんが、法律は「関係の深さ」ではなく「手続き」で判断される仕組みになっています。
事実婚では何も受け取れないのか?
では、事実婚だと何も受け取れないのかというと、そういうわけではありません。
例えば、
- 遺言書がある
- 生前にきちんと準備している
といった場合には、事実婚のパートナーでも財産を受け取れるケースがあります。
ただし、これはあくまで「準備していた場合」に限られます。
事実婚は自由な分、準備が必要
法律婚の場合は、特に何もしなくても、ある程度は制度によって守られています。
一方で事実婚は、自分たちで関係を選べる自由がある分、将来のことも自分たちで考えておく必要があります。
特に相続は、「そのときに考えればいい」では間に合わないテーマです。
正直、この話はあまり前向きな気持ちで考えられるものではありません。
「もし相手に何かあったら…」なんて、できれば考えたくないですよね。
僕たち自身もこの話を初めて知ったときは、「ちゃんと向き合わないといけないな」と、現実を突きつけられた感覚がありました。
普段はほとんど夫婦と変わらない生活をしているのに、いざというときには「法律上は他人になる」という事実。
これが、事実婚の大きな特徴でもあり、難しいところでもあります。
事実婚の自由さはすごく心地いいものですが、だからこそ、相続のような大事なテーマは、元気なうちにしっかり考えておくことが大切だと感じています。
事実婚で相手が死亡したときに困りやすいこと
ここまで説明したように、事実婚の相手には原則として法定相続権がありません。
そのため、法律婚にはない形で、さまざまな不安や問題が出てきやすいのが現実です。
ここでは、実際にどんなことで困りやすいのかを整理しておきます。
相手の親や兄弟姉妹が前に出てくることがある
事実婚のパートナーは相続人にならないため、亡くなった人の財産は、法律で決められた別の相続人に渡ります。
主な相続人は、
- 子ども
- 親や祖父母
- 兄弟姉妹
などです。
つまり、事実婚の場合は「自分よりも相手の親族のほうが、法律上は強い立場になる」という状況が起こります。
どれだけ長く一緒に暮らしていても、相続の場面では関係性よりも法律が優先されます。
そのため、相手の家族との関係性によっては、精神的にもかなりしんどくなりやすいポイントです。
家に住み続けられるか不安になりやすい
住まいの問題も、とても大きいです。
例えば、今住んでいる家が亡くなった相手の名義だった場合、「このまま住み続けていいのか?」という不安が一気に現実になります。
特に、
- 持ち家が相手の単独名義
- 賃貸契約が相手名義
- 住宅ローンや管理費の支払いが相手中心
といったケースでは、生活の土台そのものが揺らぎやすくなります。
普段は「2人の家」と思っていても、法律上はあくまで「相手の財産・契約」であることが多いので、死別した瞬間に状況が大きく変わってしまう可能性があります。
葬儀・連絡・手続きで立場の弱さを感じやすい
パートナーが亡くなると、相続だけでなく、すぐにさまざまな対応が必要になります。
- 病院での説明
- 葬儀の進め方
- 親族への連絡
- 遺品や家の整理
- 行政や年金の手続き
こうした場面で、「一緒に暮らしていた自分が一番近い存在のはずなのに、法律上は配偶者ではない」という立場の難しさを感じることがあります。
もちろん、実際の対応は家族関係や周囲の理解によって変わります。
ただ、法律婚の夫婦に比べると、関係性を証明する書類を求められたり、説明が必要になったりする場面はどうしても増えやすいです。
悲しみよりもお金と手続きの問題が押し寄せる
パートナーとの死別は、それだけでも大きな出来事です。
それなのに現実としては、
- 口座はどうなるのか
- 家賃や住宅ローンはどうするのか
- 光熱費やスマホの契約は誰が引き継ぐのか
- 家にあるものをどう整理するのか
といった問題が一気に押し寄せてきます。
悲しんでいるだけでは進まないことが多すぎるというのが正直なところです。
特に事実婚の場合は、相続人ではないことで判断や権限の面でも弱くなりやすく、悲しみと生活の不安が同時に来るのが大きな負担になりやすいです。
税金の面でも法律婚と同じようには守られない
仮に遺言によって財産を受け取れるようにしていたとしても、税金の扱いはまた別の問題です。
法律婚の配偶者には、相続税の大きな優遇(配偶者の税額軽減)がありますが、事実婚のパートナーはこの対象に含まれません。
つまり、同じ金額の財産を受け取っても、法律婚の配偶者より税負担が重くなる可能性があるということです。
さらに、相続人ではない立場で財産を受け取る場合は、ケースによって税負担が増えることもあります。
「遺言を書いておけば安心」というわけではなく、その先の税金まで含めて考えておく必要があるのは、事実婚ならではの難しさです。

事実婚でも相手に財産を残すためにできること
ここまで読んで、「事実婚だと、やっぱり何も守れないのかな…」と不安に感じた方もいるかもしれません。
でも、そんなことはありません。
たしかに事実婚の相手には、原則として法定相続権はありませんが、何もできないわけではなく、元気なうちに準備しておくことで、相手に財産を残せる可能性は十分にあります。
事実婚で大切なのは、「自動では守られないからこそ、自分たちで備える」という考え方です。
いちばん大事なのは「遺言書」を残すこと
事実婚で相手に財産を残すうえで、まず一番大切なのが遺言書です。
遺言書とは、「自分が亡くなったときに、どの財産を誰に渡したいか」を自分の意思で残しておくものです。
民法では、遺言によって自分の財産の行き先を指定できる仕組みがあります。
つまり、法律上の配偶者でなくても、遺言で「この財産をパートナーに渡す」と明確にしておけば、事実婚の相手に財産を残すことができます。
事実婚では、何も準備していないと相手に渡せない可能性が高い一方で、遺言書があるだけで状況が大きく変わることも少なくありません。
家や口座の「名義」も一度確認しておく
相続の問題は、財産の中身だけでなく「名義」もとても重要です。
例えば、
- 家の名義がどちらになっているか
- 銀行口座は誰のものか
- 車や保険の契約は誰名義か
- 家賃や光熱費の契約は誰になっているか
こうした点をあらかじめ確認しておくことで、「もしものときに何が問題になりそうか」が見えやすくなります。
普段は「2人のもの」という感覚でも、法律上はどちらか一方の名義になっていることがほとんどです。
だからこそ、事実婚では「気持ちの共有」だけでなく、現実的な名義の整理・確認もとても大切になってきます。
しっかりと2人で話し合っておくことも大切
最初にもお伝えした通り、相続や「もしものとき」の話は、正直かなり重たいテーマです。
僕たち自身も、「相手が亡くなったらどうするか」なんて、できれば考えたくないと思っています。
でも、事実婚だからこそ、元気なうちに少しでも話しておくことに意味があるとも感じています。
最初から完璧に決める必要はありません。
- もしものときって、どうする?
- 預金とか一回整理しておく?
- 遺言って必要そうかな?
このくらいの軽い会話からでも十分です。
話しづらいテーマだからこそ後回しにしがちですが、後回しにしてしまうと、本当に必要になったときには間に合わないこともあります。
事実婚は、何もしなくても守られる関係ではありません。
でもその分、自分たちで考えて、自分たちなりに守る準備ができる関係でもあると思っています。

事実婚の相続について実際どう感じているか?
事実婚の相続については、正直なところ「できれば考えたくない」というのが本音です。
相手が亡くなる前提で考えること自体しんどいですし、縁起でもないというか、気持ち的にも避けたくなるテーマですよね。
僕たちが事実婚を選んだ理由も、「もっと自由に、楽しく一緒にいたい」という気持ちが大きかったので、なおさらそう感じていました。
ただ、いろいろ調べていく中で、事実婚だからこそ避けて通れないテーマなんだなとも感じるようになりました。
事実婚は、
- お互いに無理をしない
- 形式に縛られない
- 自分たちらしい形を選べる
といった自由さが魅力です。
でもその一方で、相続の話になると、何もしなければ守られない現実が一気に見えてきます。
とはいえ、よくよく考えてみると、相続って本来は法律婚であっても考えておくべきテーマだと思います。
そう考えると、これは単なるデメリットというよりも、「自由を選んだ分、自分たちで考える必要がある」前提なんだと捉えるようになりました。
制度に頼りきれない分、自分たちで考えることが増えるため、少しだけ不安と向き合う場面は増えるかもしれません。
でも、それは決して悪いことではなくて、自分たちで選んだ関係だからこそ、ちゃんと向き合うということなんだと思っています。
僕たち自身も、完璧ではないですが、「もしものときにどうするか」は少しずつ話すようにしています。
ということで、今回はこのあたりで終わりにします。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
それでは、また。
