事実婚で必要な手続きは?実際にやったこと・やらなかったこと
こんにちは。やまもです。
今回は、僕たちの実体験も交えながら、事実婚をするうえで、実際にどんな手続きが必要なのか?について書いていこうと思います。
制度的な話だけでなく、実際に僕たちがどう動いたのか、どんなことを考えたのかも含めて、リアルな目線でお伝えできればと思います。

事実婚に必須の手続きはあるのか?
結論から言うと、事実婚に必須の手続きはありません。
法律婚のように役所へ婚姻届を提出する義務もありませんし、「これをしないと事実婚として成立しない」という明確な公的手続きもありません。
世間的・社会的に事実婚が認められやすいケース
必須の手続きはないものの、まったく何も基準がないわけではありません。
事実婚として扱われやすいかどうかは、「実態として夫婦同然の生活をしているかどうか」がポイントになります。
例えば、次のような状態が1つの目安になります。
- 同居している
- 生計を共にしている
- 社会的に夫婦として認識されている
つまり、形式よりも中身が重視されるということです。

実際に事実婚の手続きとして行ったこと
正直なところ、僕たちは事実婚をするにあたって、いわゆる「これ」といった特別な手続きはしていません。
参考にならなかったらすみません…という気持ちもあります。。
ただ、正式な手続きではないものの、
- 両家顔合わせ
- パーティー(結婚式)
- ハネムーン
といったことは結果的に行いました。
どれも法律上の手続きではありませんが、「ふたりで人生を歩んでいく」という意思を周囲に示す機会にはなったと思っています。
特にパーティー(結婚式)を開いたことで、親族や友人からは自然とパートナーとして認識されるようになりました。
形式的な書類はなくても、こうした行動の積み重ねが、社会的な実態をつくっているのかなと感じています。

実態として当てはまっていること
さらに、日常生活の面では、
- 同居している
- 生計を共にしている
- 親や友達から夫婦として認識されている
といった具合で、いわゆる「夫婦同然の生活」をしている状態といえます。
事実婚は、何か特別な儀式や届け出をすれば成立するものではなく、こうした日々の積み重ねがベースになります。
僕たちの場合も、「事実婚にするぞ!」と大きな手続きをしたわけではなく、自然な流れの中で今の形に落ち着いた、というのが正直なところです。

事実婚で検討しておきたい主な手続き
事実婚には、「これをしないと成立しない」という必須の手続きはありません。
ただ、その分、何も準備していないと、いざというときに困る場面が出てくる可能性もあります。
そのため、義務ではないものの、事前に検討しておくと安心な手続きはいくつかあります。
ここでは、事実婚を選ぶうえで一般的によく検討される手続きをまとめてみます。
住民票の「未届の妻/夫」の記載
住民票には、同居しているパートナーを「妻(未届)」または「夫(未届)」として記載できる場合があります。
これは、「婚姻届は出していないけれど、事実婚関係にある」ということを公的に示す記載です。
事実婚であることを証明するうえで、もっともシンプルで使いやすい公的書類の1つといえます。
手続きは無料で、住民票がある市区町村の窓口で行います。
転入届や世帯変更届などのタイミングで、「妻(未届)」「夫(未届)」として記載したい旨を申し出る形が一般的です。
住民票に「妻(未届)」「夫(未届)」と記載されていると、健康保険の扶養申請や生命保険の受取人指定、各種民間サービスで「家族」として扱ってもらう際の証明として使えることがあります。
公的な証明書に関係性が記載されるため、事実婚という形をある程度きちんと整えておきたい人にとっては、検討する意味のある手続きだと思います。
健康保険の扶養
事実婚のパートナーでも、健康保険の被扶養者として認められる可能性があります。
健康保険法では、「事実上婚姻関係と同様の事情にある者」も対象に含まれているためです。
会社員が加入する健康保険組合や協会けんぽの場合、一般的には、住民票に「妻(未届)」「夫(未届)」と記載されていることや、収入要件を満たしていることなどが確認されます。
一方で、自営業者や個人事業主などが加入する国民健康保険には、そもそも「扶養」という考え方がありません。
そのため、事実婚のパートナーであっても、それぞれが国民健康保険に加入する形になります。
健康保険組合によって必要書類や判断基準は異なるため、実際に手続きを進める場合は、加入している健康保険組合や勤務先の担当部署に確認しておくと安心です。
国民年金第3号被保険者
健康保険の扶養とあわせて確認しておきたいのが、国民年金の第3号被保険者としての扱いです。
国民年金の第3号被保険者とは、会社員や公務員などに扶養されている配偶者が、自分で保険料を払わなくても国民年金に加入している扱いになる制度です。
事実婚のパートナーも、条件を満たせば、この第3号被保険者として認められる可能性があります。
健康保険の扶養と同時に手続きされることも多いので、確認する際は、あわせて勤務先や加入している健康保険組合に聞いておくと安心です。
遺言書の作成
法律婚とは違い、事実婚のパートナーには法定相続権がありません。
そのため、何も準備していないと、長年一緒に暮らしてきたパートナーに財産を残せず、親や兄弟姉妹などの法定相続人に相続される可能性があります。
事実婚のパートナーに財産を残したい場合は、遺言書を作成しておくことが大切です。
特に、内容の確実性や保管面を考えると、公正証書遺言(公証人と一緒に作る遺言書)を検討しておくと安心です。
また、事実婚のパートナーが財産を受け取る場合は、法律婚の配偶者とは税金面で扱いが異なります。
相続税が2割加算されたり、配偶者の税額軽減が使えなかったりするため、税負担が大きくなる可能性があります。
相続は事実婚で特に差が出やすい部分なので、早めに専門家へ相談しながら整理しておくことが大切です。


任意後見契約・死後事務委任契約
任意後見契約は、将来、判断能力が低下した場合に備えて、財産管理や介護・医療まわりの契約などをパートナーに任せるための契約です。
事実婚のパートナーは、法律上の「家族」として扱われにくい場面があります。
そのため、入院や施設入所、介護サービスの契約などで、本人に代わって手続きを進めるために必要になることがあります。
また、亡くなった後の手続きに備えるなら、死後事務委任契約も検討しておきたいところです。
死後事務委任契約とは、葬儀や火葬、各種契約の解約、遺品整理などを、あらかじめパートナーに任せておく契約です。
事実婚の場合、法律上の配偶者ではないため、喪主や親族として当然に手続きできるとは限りません。
契約がないと、葬儀社や行政、各種事業者の手続きで対応を断られる可能性もあります。
いざというときにパートナーが動きやすくするためにも、任意後見契約や死後事務委任契約は、事実婚で検討しておきたい備えの1つです。
生命保険の受取人の指定
生命保険は、遺言書とは別の備えとして検討できます。
保険金は、原則として受取人に直接支払われるため、事実婚のパートナーにお金を残す手段の1つになります。
ただし、事実婚のパートナーを受取人に指定できるかどうかは、保険会社によって対応が異なります。
例えば、
- 住民票に「妻(未届)」「夫(未届)」と記載されていること
- 一定期間の同居実績があること
- そもそも法律上の配偶者しか受取人にできないこと
など、会社ごとに条件が決められている場合があります。
そのため、これから加入する場合はもちろん、すでに加入している保険がある場合も、事実婚のパートナーを受取人にできるかどうかを確認しておくと安心です。
事実婚契約書・合意書の作成
事実婚契約書は、事実婚生活におけるルールや取り決めをまとめておく契約書です。
例えば、
- 家計の負担割合
- 財産の取り扱い
- 万が一のときの対応
- 関係を解消する場合の取り決め
などを、あらかじめ書面にしておくイメージです。
公正証書として作成すれば、2人の関係性を示す公的な証明として使える場合もあります。
健康保険の扶養申請などで、事実婚関係を証明する資料の1つとして提出できることもあります。
感覚としては、婚姻届の代わりというより、「自分たちの関係や生活のルールを整理しておく書類」に近いかもしれません。
少し堅く感じるかもしれませんが、感情の問題というよりも、将来のトラブルを防ぐための予防策として考える人が多い印象です。
医療・緊急時の対応
病院によっては、手術の同意や面会の場面で、「家族であることの証明」を求められる場合があります。
そのため、事実婚の場合は、
- 緊急連絡先の登録
- 医療に関する事前の意思表示
- 治療方針や延命措置などに関する希望の共有
などについて、あらかじめ話し合っておくと安心です。
もしものことは、いつ起こるかわかりません。
だからこそ、元気なうちに「そのときどうするか」を共有しておく意味は大きいと思います。
子どもがいる・生まれた場合の対応
事実婚で子どもが生まれる場合、法律婚とは異なる手続きや法的な扱いがあります。
まず、事実婚では、出生届を出しただけでは父親との法的な親子関係は成立しません。
父親が認知届を出すことで、法律上の父子関係が認められます。
また、事実婚の場合、子どもの苗字は原則として母親の苗字になります。
ただし、父親が認知したあと、家庭裁判所で「子の氏の変更許可」を受ければ、父親の苗字に変更することも可能です。
子どもがいる場合や、今後子どもを持つ可能性がある場合は、認知届や親権、子どもの苗字に関する手続きについて、事前に把握しておくと安心です。

パートナーシップ宣誓制度の利用
自治体によっては、パートナーシップ宣誓制度があります。
もともとは同性カップル向けの制度ですが、自治体によっては事実婚カップルも対象にしている場合があります。
制度の内容や効力は自治体ごとに異なるため、住んでいる地域の情報を一度確認してみるといいかもしれません。
勤務先の制度の確認
公的な手続きとは別に、勤務先の制度も確認しておくと安心です。
例えば、以下のような制度は、会社によって事実婚の扱いが異なります。
- 慶弔休暇・慶弔金
- 家族手当・扶養手当
- 社宅・住宅補助
- 緊急連絡先や身元保証人としての登録
家族手当や扶養手当などは、住民票に「妻(未届)」「夫(未届)」と記載されていれば対象になる場合もありますが、会社ごとに判断が分かれます。
また、社宅や住宅補助についても、事実婚のパートナーが同居人や家族として認められるかどうかは、勤務先の規程次第です。
事実婚は、法律婚に比べて会社ごとの対応に差が出やすい部分です。
あとから「対象外だった」とならないように、人事や総務に事前に確認しておくと安心です。
結局、事実婚では何をすればいいのか?
最初にお伝えした通り、事実婚に「これだけは絶対にやらなければならない」という手続きはありません。
だからこそ、どんな手続きをするのか、どこまで整えるのかは、本当に自分たち次第なんだと思います。
例えば、
- 親の理解をしっかり得たいなら、住民票の手続きや丁寧な説明をする
- 将来子どもを考えているなら、認知や親権について事前に話し合っておく
- お金や万が一のことが不安なら、契約書の作成や相続対策を検討する
といったように、自分たちの状況や価値観に合わせて選んでいく形になります。
ちなみに僕たちは、今回挙げた手続きのほとんどをまだしていません。
でも、こうして改めて調べてみると、「あ、こういう制度もあるんだ」と初めて知ることも多かったので、これをきっかけに、ちゃんとふたりで話し合ってみようかなと思いました。
事実婚は、いい意味で型にはまらなくていい選択肢です。
決まった正解がない分、自分たちの正解をつくっていく必要があります。
だからこそ大事なのは、手続きそのものよりも、「ふたりでちゃんと話し合っているかどうか」なのかなと感じます。
ということで、今回はこのあたりで終わりにします。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
それでは、また。
